投稿日 : 2019年4月9日 最終更新日時 : 2019年4月11日 カテゴリー : オンラインサロン記事
本記事は、そのDeFiの概要について解説することで「日本企業がDeFi市場に参入するにはどうすれば良いか」を模索することを主題として構成しています。
当社では、DeFi領域に関するコンサルティング及びブロックチェーン開発業務を行っております。
お気軽にご相談下さい。
DeFiについては、block-chain.jpで詳しく説明しています。合わせてご覧ください。
DeFiの最も大きな特徴は、スマートコントラクトを活用することで、サービスの取引内容がブロックチェーン上に保存され、契約が自動執行されるという点です。
以下は簡易的に作成したDeFiのエコシステムを俯瞰したマップです。見ての通り、証券・融資・デリバティブ・仮想通貨取引所・保険・信用スコアなど、既存の金融システムのほぼ全ての分野をカバーしていることが分かります。
ここ数年は明らかに”フィンテック”の時代です。海外に目を向けると、銀行の融資機能をP2Pレンディングが保管し、決済・送金はPayPalが代行しています。証券会社の顧客は徐々にネット証券に流れ、リテール顧客を増加させています。
しかし、今後10年単位で金融業界の流れを俯瞰して見たときに、DeFiはフィンテックの次のイノベーションとして目を背ける事が出来ないものとなるはずです。
上記画像の中にあるようなプロジェクトの何れかが、徐々にその頭角を表し始めるでしょう。分散型取引所がいずれ中央集権的な取引所を追い抜くと言われているのも、そのうちの一例です。それくらい、ブロックチェーンが及ぼす社会的なインパクトは大きいのです。
リーマンショックは、銀行が本来返済能力のない人々に対して過剰な住宅融資を行ったことが原因とされていますが、信用不安が拡大した理由は金融資産の不透明性に端を発します。投資家たちが、自分達が持つ資産にどれだけのリスクが存在しているのかを把握できなくなり、バブルが崩壊したのです。
スルガ銀行の不正融資は、金融機関が資金を何にどれくらい使っているのか、という事実が不透明であったために起きてしまった問題と言えるでしょう。
一方でDeFiの場合は、これらの重要な取引内容・履歴はブロックチェーン上に保存され、かつコードはオープンに公開されているため、金融仲介における契約や発行される金融資産の透明性を担保することができます。そのため中央集権的な機関を信頼するコストを大きく削減できると期待されています。
現在はまだ技術的に暗号通貨が一般化されてはいないので、取引所で法定通貨に換金することでしか資金調達メリットを享受できません。法的な枠組みも曖昧なので、今後規制が進み、KYCが強化され、誰でも利用できるという現在の状況は減っていくと考えられます。
しかし、DeFiはフィンテック以上の金融包摂を行う可能性を秘めています。それはフィンテックが可能にしたロングテールの利点に加えて、中央集権的な金融仲介機関を信用するコストを大幅に削減できるためです。
具体的には、コードが公開されていることにより、開発チームだけでなく、外部の開発者がコードの向上に関わることができ、かつ異なるプロダクト同士の連結が容易になります。
さらには、もしプロジェクトの意向やプロダクトの設計が気に入らなければ、そのままコードをコピーして改善版を自作する事も可能だということです。
今後数年で技術的・規制的な進展が進み、そこに一般ユーザーのリテラシーが追いつき、機関投資家の参入も加われば、案外早々にDeFi関連のプロジェクトはフィンテックを脅かすほどの影響力を持つかもしれません。そのための仕込みの時期が今年(2019年)なのではないでしょうか。
市場では、ブロックチェーンのコントラクトを書けるエンジニアはまだまだ少なく、開発会社や大手SIerでもDApps開発現場では慢性的な人手不足となっているのが現状です。
当社はブロックチェーン開発専門会社として、大手企業様とのブロックチェーンの実証実験や、ブロックチェーンシステムの受託開発の実績が数多くあり、体制を柔軟に構築する事が出来ます。ブロックチェーン・ビジネスコンサルティングでビジネス要件定義として設計した内容を、プロジェクト始動後にワンストップでそのまま社内のエンジニアチームに引き継ぐ事ができ、一貫して品質を担保することが可能です。
DeFiに関するご相談を承っております。まずはお気軽にお問合せ下さい。
はじめに
DeFi(デフィ・ディファイ)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。2018年後期から徐々に浸透し、その後大きく成長している分野として、今ブロックチェーン業界で最も注目されているムーブメントのうちの一つです。本記事は、そのDeFiの概要について解説することで「日本企業がDeFi市場に参入するにはどうすれば良いか」を模索することを主題として構成しています。
当社では、DeFi領域に関するコンサルティング及びブロックチェーン開発業務を行っております。
お気軽にご相談下さい。
DeFiについては、block-chain.jpで詳しく説明しています。合わせてご覧ください。
・DeFi(分散型金融)とは
DeFiとはDecentaralized Financeの略語であり、日本語では”分散型金融”と呼ばれています。この言葉は、Ethereumブロックチェーン上に作られた金融プロトコル・アプリケーションのエコシステムの総称として用いられています。DeFiの最も大きな特徴は、スマートコントラクトを活用することで、サービスの取引内容がブロックチェーン上に保存され、契約が自動執行されるという点です。
以下は簡易的に作成したDeFiのエコシステムを俯瞰したマップです。見ての通り、証券・融資・デリバティブ・仮想通貨取引所・保険・信用スコアなど、既存の金融システムのほぼ全ての分野をカバーしていることが分かります。
ここ数年は明らかに”フィンテック”の時代です。海外に目を向けると、銀行の融資機能をP2Pレンディングが保管し、決済・送金はPayPalが代行しています。証券会社の顧客は徐々にネット証券に流れ、リテール顧客を増加させています。
しかし、今後10年単位で金融業界の流れを俯瞰して見たときに、DeFiはフィンテックの次のイノベーションとして目を背ける事が出来ないものとなるはずです。
上記画像の中にあるようなプロジェクトの何れかが、徐々にその頭角を表し始めるでしょう。分散型取引所がいずれ中央集権的な取引所を追い抜くと言われているのも、そのうちの一例です。それくらい、ブロックチェーンが及ぼす社会的なインパクトは大きいのです。
・DeFiのメリット
スマートコントラクトを用いることで得られる主なメリットは、①透明性、②包括性、③相互運用性です。以上3つが大きな特徴として位置付けられており、DeFiが世界の金融システムに一石を投じるのではないかと期待される理由となっています。・透明性
透明性については、これは2008年のリーマンショックや、スルガ銀行の不正融資問題を例にすると良いでしょう。リーマンショックは、銀行が本来返済能力のない人々に対して過剰な住宅融資を行ったことが原因とされていますが、信用不安が拡大した理由は金融資産の不透明性に端を発します。投資家たちが、自分達が持つ資産にどれだけのリスクが存在しているのかを把握できなくなり、バブルが崩壊したのです。
スルガ銀行の不正融資は、金融機関が資金を何にどれくらい使っているのか、という事実が不透明であったために起きてしまった問題と言えるでしょう。
一方でDeFiの場合は、これらの重要な取引内容・履歴はブロックチェーン上に保存され、かつコードはオープンに公開されているため、金融仲介における契約や発行される金融資産の透明性を担保することができます。そのため中央集権的な機関を信頼するコストを大きく削減できると期待されています。
・包括性
DeFiを利用するユーザーは銀行口座を持つことなく、暗号通貨ベースで借金や資産運用を行うことができます。すると、現在金融システムから排除されてしまっている最貧国や新興国の人々でも簡単に資金を調達し、経済活動を行うことができるようになります。現在はまだ技術的に暗号通貨が一般化されてはいないので、取引所で法定通貨に換金することでしか資金調達メリットを享受できません。法的な枠組みも曖昧なので、今後規制が進み、KYCが強化され、誰でも利用できるという現在の状況は減っていくと考えられます。
しかし、DeFiはフィンテック以上の金融包摂を行う可能性を秘めています。それはフィンテックが可能にしたロングテールの利点に加えて、中央集権的な金融仲介機関を信用するコストを大幅に削減できるためです。
・相互運用性
相互運用性は、DeFiが持つ既存金融・Fintechとの最も大きな違いです。DeFiのエコシステム及びプロジェクト、開発者は、オープンソースコードの理念に基づいて活動をしています。前述した通り、コードがオープンであることは透明性に繋がりますが、それだけでなく、エコシステムの成長にも大きな影響を及ぼします。具体的には、コードが公開されていることにより、開発チームだけでなく、外部の開発者がコードの向上に関わることができ、かつ異なるプロダクト同士の連結が容易になります。
さらには、もしプロジェクトの意向やプロダクトの設計が気に入らなければ、そのままコードをコピーして改善版を自作する事も可能だということです。
・2019年はDeFi元年になる
ここ数ヶ月でのDeFiエコシステムの成長は目覚ましいものとなっています。実際に、Ethereum上でDeFi関連のスマートコントラクトにデポジットされているETHの総額は400億円近くにまで上昇していますし、単純な利用だけで言えばもっと多くのETH及びその他の仮想通貨が利用されていることになります。今後数年で技術的・規制的な進展が進み、そこに一般ユーザーのリテラシーが追いつき、機関投資家の参入も加われば、案外早々にDeFi関連のプロジェクトはフィンテックを脅かすほどの影響力を持つかもしれません。そのための仕込みの時期が今年(2019年)なのではないでしょうか。
・日本の企業はDeFiをどう活用するか?
日本はフィンテックでも残念ながら後進国です。それは現在のキャッシュレス戦争を見れば一目瞭然です。お隣の韓国・中国は既にキャッシュレスが国民全体に浸透し、今ではAIを用いた信用スコアリングサービスなどを用いて、金融だけでなく、国の産業全体のフィンテック化を図っている状況です。 そんな中で、日本企業が今後どのようにしてブロックチェーンを活かし、金融イノベーションを起こすことができるか。我々は大手企業の皆様と多数の事例に取り組む中で模索し続けて参りました。この領域はまだ始まったばかりであり、我々ブロックチェーン専門企業が持つ金融系ノウハウを生かしたコンサルティングを行いながら開発を進める事が、良好な活用事例を産み出す上で大切な要素と考えます。・ビジネス・開発に対するコンサルティングについて
当社では、DeFi及び、ブロックチェーンを活用した金融領域のサービス開発に対し、ビジネスコンサル・開発支援を行っています。市場では、ブロックチェーンのコントラクトを書けるエンジニアはまだまだ少なく、開発会社や大手SIerでもDApps開発現場では慢性的な人手不足となっているのが現状です。
当社はブロックチェーン開発専門会社として、大手企業様とのブロックチェーンの実証実験や、ブロックチェーンシステムの受託開発の実績が数多くあり、体制を柔軟に構築する事が出来ます。ブロックチェーン・ビジネスコンサルティングでビジネス要件定義として設計した内容を、プロジェクト始動後にワンストップでそのまま社内のエンジニアチームに引き継ぐ事ができ、一貫して品質を担保することが可能です。
DeFiに関するご相談を承っております。まずはお気軽にお問合せ下さい。